1960年、電波研究所は、鹿島において直径30mのパラボラアンテナの建設に着手し、1964年5月に鹿島支所を開設した。
CS・BS用主局庁舎にアンテナ設置 1976年7月
CS・BS用主局となる建造中の実験庁舎に、1976年7月23日、直 径13mのアンテナが設置された。CSの準ミリ波用、 BSの14/12GHz用は共に同じ形式の物で、庁舎の左右・ 3階建物の屋上に据付けられた。
据え付け終了したCS用(中央)BS用アンテナ(右)
【資料】電波研究所ニュース、1976.8、No.5
1987.10 18mφバラボラアンテナ、使命を終える
鹿島支所の管制センター構内にそびえていた直径18m のパラボラアンテナは、老朽化のため昭和62年10月27日に解 体、撤去された。このアンテナは周回衛星の追尾が容易 なX‐Yマウント形式(受信周波数VHF帯~S帯、た だしS帯は後で付加)で、昭和46年に建設されて以来電 離層等の観測衛星ISS-b、ISIS、DE-1等の観 測データの受信を行ってきた。また、我が国の実用衛星 や科学衛星の打ち上げ時には、衛星の追跡支援もしばし ば行った。このほか米国の静止衛星ATS-1を利用し ての管制実験では、衛星軌道制御の情報を含むハウスキ ーピングデータの受信を担当した。この実験はわが国初 の静止衛星打上げ以前に行われて成功しており、意義深 い。このようにして運用した衛星数は20個余りに達し た。解体数日前、アンテナの傍には多数の関係者が集 い、今まで活躍したアンテナの労をねぎらうとともに、 最後の別れを惜しんだ。なお、跡地には現在、大型アン テナを建設中である。