1986年(昭和61年)5月に制定された「民間事業者の能力活用による特定設備基盤促進に関する臨時措置法」 (民活法) により、各地に官民共同の多くのリサーチパーク構想が検討された。一方、1993年(平成5年)5月1日、郵政省は電波法を改正し、電波利用料制度を導入した。放送局や、衛星、船舶、携帯端末などの電波を利用する無線局に対して料金を課すものである。
 

これらの政策により、我が国の、アジアの、そして世界の情報通信技術の研究開発拠点となることを目指して誕生したのが横須賀リサーチパーク(YRP)である。YRPは、昭和62年に郵政省の提唱により検討が開始された民活プロジェクトで、横須賀市と京浜急行が約4割を出資して設立された「株式会社横須賀テレコムリサーチパーク」が開発整備を行った。1997年10月には研究開発棟となる1番館、2番館および生活支援棟がオープンした。

CRL横須賀無線通信研究センターは、横須賀リサーチパーク(YRP)に本拠地を置く新たな組織として、当所の宇宙通信分野を除く総ての無線通信部門が移転し、心機一転新たな研究戦略によりYRPの中核的研究拠点を目指して研究開発を行うことになった。移転前の1997年7月に小金井本所に本拠を設置、大森慎吾が横須賀無線通信研究センター長に発令され、1998年2月には、第2研究チーム、第4研究チームおよび企画管理室が移転し、順次無線伝送研究室、電磁環境研究室、通信ディバイス研究室の移転が計画された。当センターはこの一番館の2階と3階(延べ面積約2500㎡)に入居する。YRPには、既に国内外約40社あまりの研究機関の進出が決まっており、国際的な共同研究、研究交流が活発に行われる物理的環境が整いつつあった。

「電波利用料」の利用により利用者への研究成果の還元が求められ、産学官連携の新たな研究開発スタイルを進めるとの基本理念に基づき、移動通信研究部門のYRPへの移転を決め、1998年2月にYRP壱番館に開設した。

開設前後の詳細は下記の資料をご覧ください。
【資料】「YRP 5周年記念特別号」、YRP研究開発推進協会、(株)YRPテレコムリサーチパーク、YRP NEWS 2